手の5番

私が研修生の時に、師匠にアプローチを教えて下さいと言った時のエピソードです。

 

夕方のお客様がいなくなった時間に、9番ホールのグリーン周りに連れていかれて、「今から俺と勝負だ」と言われました。

 

勝負の内容は、クラブを使わずボールを投げる「手の5番勝負です」

 

ニアピンを取った人が、グリーン周りの好きな場所を選んで行うルールです。

 

アプローチの繊細なタッチを持っている師匠は、手の5番でも素晴らしい技術を持っていました。ピンが奥なら低めの球で転がりの良い投げ方をしてピタリと寄せますし、バンカー超えは高く柔らかく投げて転がりを抑えます。

 

師匠の圧倒的勝利でゲームは終わったのですが、師匠は自分にこう言いました。「グリーン周りにきたら、もし手を使って投げられたらどんなボールを投げるかを常に想像しろ。技術不足は練習で解消できるが、想像力の無い奴は絶対にゴルフは上手くなれない・・・と」

 

私は実際のラウンドでも、グリーンが近くなってくると、クラブを持たずに手の5番で素振りをします。ルールでは手でボールを投げてはいけませんが、頭の中では自由なのです。

 

アプローチは弾道のイメージが大切です。仮に今の技術では打てなくても、練習を重ねていくうちに、きっとそのギャップが埋まっていくのだと思います。